「撮影開始時間になりますので、ご移動お願いしまーす」
ドアの向こうから声がかかって、僕は立ち上がった。
なんとなくイメージはできた。
大丈夫だ。
自分が安心する言葉をかけて、僕はドアを開けた。
同時に隣に控え室から黒羽さんが出てきた。
「蒼唯くん!最終確認だけど、大丈夫そ?」
「はい。大丈夫です」
自信満々に言った私を見て、黒羽さんは楽しそうに笑った。
それから、撮影部屋に入る。
「黒羽莉央さんと鷹栖蒼唯くん入りまーす」
その声に僕はスイッチを入れた。
僕達はカメラの前に立つ。
「カメラマンの高宮(たかみや)だよ。よろしくね。それじゃあ、早速撮影開始しようか。鷹栖くんは莉央ちゃんに合わせてみて」
「はい。わかりました」
僕が黒羽さんを見ると、ニコリと笑って言った。
「蒼唯くん、なんか考えてきたんでしょ?それ見せてよ。私は合わせる」
僕に合わせるのでいいのかと思ったけど、その方が僕的にもやりやすいし従っておこうと思った。
「ポージングおねがーい」
高宮さんの声が響いて、僕達は撮影を開始した。
まずは置いてある箱にふたりで座ってスタート。
表情は無表情で、でもどこか悲しげな雰囲気をまとうドール。
「いいね!莉央はもうちょっと視線落としていいよー」
そのまま僕を指摘することなく進んでいく。
ふたりで手を重ねて体をよせたり。
妖艶(ようえん)に笑ってみせたり。
長い時間撮影をして、ようやく終了したのは1時間半後だった。
「いやー、鷹栖くんめっちゃすごかった!莉央と表紙飾っても問題全然ないよ!まさかこれで素人なんて信じられないねぇ」
と、高宮さんが褒めてくれる。
他のスタッフさんも口々に褒めてくれた。
最後に写真選びの時、黒羽さんが僕に話しかけた。
「久しぶりに超楽しかったよ!まるで隣に専属モデルがいつもたいだった。今回は読者モデルと撮るってので正直あんまり期待してなかったけど、想像異常にすごくて逆にリードされちゃった」
そう楽しそうに言ってくれる。
黒羽さんの足を引っ張っていなかったようでなによりだ。
「陽翔もこんな友達いるなら早く教えてよーって感じだよね。どう?私と専属モデルやらない?」
「ええっ!?そんな僕なんて…」
「ありゃ〜断られた。でも、興味が出たらおいでよ」
黒羽さんは最後まで僕を勧誘してくれた。
そこまで僕のことを気に入ってくれたようで、正直すごく嬉しかった。
***
「じゃあ、またね蒼唯くん!陽翔にもよろしく伝えておいて!」
そう言って黒羽さんは新開さんのところへ行ってしまった。
僕は荷物を持ってスタジオを出て、悠人のいる車に駆け寄った。
車のドアを開けて中に入る。
「お疲れ様でした。それでは、車を発進させます」
僕はバックミラー越しに頷いた。
それから、悠人は話を続ける。
「どうでしたか?マネージャーの新開さんに撮影に出たと聞きました。どういうお考えで?」
「…別に。黒羽さんをもっと知りたかっただけだよ」
その後特に聞いてくることはなかった。
その間も僕は考えていた。
黒羽さんは月海くんの婚約者で、僕が敵うはずもない存在だった。
けれど、今日隣に立ってみてどうだった?
同じ土俵に立てたじゃないか。
僕にとってはそれがとても重要だった。
まだ、僕は月海くんを想っていいのではないだろうか。
そんなことを考えていた。
ドアの向こうから声がかかって、僕は立ち上がった。
なんとなくイメージはできた。
大丈夫だ。
自分が安心する言葉をかけて、僕はドアを開けた。
同時に隣に控え室から黒羽さんが出てきた。
「蒼唯くん!最終確認だけど、大丈夫そ?」
「はい。大丈夫です」
自信満々に言った私を見て、黒羽さんは楽しそうに笑った。
それから、撮影部屋に入る。
「黒羽莉央さんと鷹栖蒼唯くん入りまーす」
その声に僕はスイッチを入れた。
僕達はカメラの前に立つ。
「カメラマンの高宮(たかみや)だよ。よろしくね。それじゃあ、早速撮影開始しようか。鷹栖くんは莉央ちゃんに合わせてみて」
「はい。わかりました」
僕が黒羽さんを見ると、ニコリと笑って言った。
「蒼唯くん、なんか考えてきたんでしょ?それ見せてよ。私は合わせる」
僕に合わせるのでいいのかと思ったけど、その方が僕的にもやりやすいし従っておこうと思った。
「ポージングおねがーい」
高宮さんの声が響いて、僕達は撮影を開始した。
まずは置いてある箱にふたりで座ってスタート。
表情は無表情で、でもどこか悲しげな雰囲気をまとうドール。
「いいね!莉央はもうちょっと視線落としていいよー」
そのまま僕を指摘することなく進んでいく。
ふたりで手を重ねて体をよせたり。
妖艶(ようえん)に笑ってみせたり。
長い時間撮影をして、ようやく終了したのは1時間半後だった。
「いやー、鷹栖くんめっちゃすごかった!莉央と表紙飾っても問題全然ないよ!まさかこれで素人なんて信じられないねぇ」
と、高宮さんが褒めてくれる。
他のスタッフさんも口々に褒めてくれた。
最後に写真選びの時、黒羽さんが僕に話しかけた。
「久しぶりに超楽しかったよ!まるで隣に専属モデルがいつもたいだった。今回は読者モデルと撮るってので正直あんまり期待してなかったけど、想像異常にすごくて逆にリードされちゃった」
そう楽しそうに言ってくれる。
黒羽さんの足を引っ張っていなかったようでなによりだ。
「陽翔もこんな友達いるなら早く教えてよーって感じだよね。どう?私と専属モデルやらない?」
「ええっ!?そんな僕なんて…」
「ありゃ〜断られた。でも、興味が出たらおいでよ」
黒羽さんは最後まで僕を勧誘してくれた。
そこまで僕のことを気に入ってくれたようで、正直すごく嬉しかった。
***
「じゃあ、またね蒼唯くん!陽翔にもよろしく伝えておいて!」
そう言って黒羽さんは新開さんのところへ行ってしまった。
僕は荷物を持ってスタジオを出て、悠人のいる車に駆け寄った。
車のドアを開けて中に入る。
「お疲れ様でした。それでは、車を発進させます」
僕はバックミラー越しに頷いた。
それから、悠人は話を続ける。
「どうでしたか?マネージャーの新開さんに撮影に出たと聞きました。どういうお考えで?」
「…別に。黒羽さんをもっと知りたかっただけだよ」
その後特に聞いてくることはなかった。
その間も僕は考えていた。
黒羽さんは月海くんの婚約者で、僕が敵うはずもない存在だった。
けれど、今日隣に立ってみてどうだった?
同じ土俵に立てたじゃないか。
僕にとってはそれがとても重要だった。
まだ、僕は月海くんを想っていいのではないだろうか。
そんなことを考えていた。



