走り出したと同時に、爽快な風が吹く。
僕がトップだ。
こういうのって、内側をとったもん勝ちだよね。
こんな乗り物に乗るのも、操縦するのも初めてだけどすごく楽しい。
曲がる時すぐ後ろに見えたのは月海くんの車。
やばい、このままじゃ追い越される!
なんて思いながらスピードを上げていく。
くねくね道に入って、どうしても難しいところに入った。
すると後ろから。
「鷹栖お先〜」
さらっと僕を抜かしていく月海くん。
その後琉偉も追いついてきて僕はヒヤヒヤしながら、スピードを落とさないように頑張って走った。
『優勝は黄色さん!おめでとうございます!!』
スピーカーから声が聞こえて、月海くんはとびきりの笑顔を見せてくれた。
優勝は月海くん。
悔しさはあるけど、この笑顔見れたしいっか。
***
その後はお化け屋敷に入ったり、シューティングゲームをしたりして時間がどんどん過ぎていく。
全制覇まで残るは観覧車のみとなった。
もう5時で、lあたりは暗くなっていてライトアップが始まっている時間。
今は3人で観覧車の列に並んでいる。
でも、ふたりで乗ろうって月海くんと話したんだけどな。
どうやって琉偉と別々にする気だろう、と考えていると自分達の番になった。
すると、いきなり月海くんが僕の手を引っぱって、スタッフさんに「ふたりで」という。
無理やりふたりきりになった。
僕は心の中で琉偉に謝り、月海くんに続いて観覧車乗った。
ふたりというのはなんだか気まずくて、沈黙が続く。
「今日、どうだった?」
月海くんが何気なくそう聞いてくる。
「とっても楽しかったよ。ありがとう」
僕がそう言うと、月海くんは満足そうに笑った。
それから、僕に手招きをする。
「隣来て」
「えっ、うん…」
少し動揺しながらも、僕は彼の隣に座った。
さっきよりも距離が近くて、妙にドキドキする。
意識しちゃダメなのに。
「俺もすげー楽しかった。家のこととかあって普段外に出れないし、遊園地なんて何年ぶり?ってくらい。それに、鷹栖とだったし」
最後の言葉にドキッとする。
僕が特別みたいな言い方、そんなふうに言われると胸がギュッとなる。
「今日はほんと、ありがとな。あとさ、俺鷹栖に言いたいことあって」
「なに?」
僕が首をかしげると同時に、花火が上がった。
ドンッ!ドンッ!
「ずっと前から、俺は鷹栖が———」
残念ながら、月海くんの言葉は最後まで聞こえなかった。
花火の音にかき消されてしまったから。
「え?ごめん、なんて言った?」
「……いや、やっぱなんでもない」
笑って誤魔化されてしまった。
聞いておけばよかったと後悔しながら、僕は花火に見惚れていた。
「花火、きれいだね」
月海くんの言葉に頷く。
「うん。とってもきれい」
実は花火を見るのも初めてだったから、この時間を月海くんと共感できてすごく嬉しいと思った。
それからあっという間に時間が経って、閉園の時間。
帰り道、僕達は琉偉に怒られながら帰った。
「陽翔くん?」
その時、月海くんを呼ぶ女の子の声が聞こえた。
まるくて小さな顔は整っていて、普通の人じゃないって雰囲気で分かった。
淡い茶色の髪と藍色の瞳から、どうしても視線がずらせない。
僕でもこの子の名前は知ってる。
黒羽莉央、世界的にも有名なモデルの子だ。
「莉央?」
胸騒ぎがした気がした。
僕がトップだ。
こういうのって、内側をとったもん勝ちだよね。
こんな乗り物に乗るのも、操縦するのも初めてだけどすごく楽しい。
曲がる時すぐ後ろに見えたのは月海くんの車。
やばい、このままじゃ追い越される!
なんて思いながらスピードを上げていく。
くねくね道に入って、どうしても難しいところに入った。
すると後ろから。
「鷹栖お先〜」
さらっと僕を抜かしていく月海くん。
その後琉偉も追いついてきて僕はヒヤヒヤしながら、スピードを落とさないように頑張って走った。
『優勝は黄色さん!おめでとうございます!!』
スピーカーから声が聞こえて、月海くんはとびきりの笑顔を見せてくれた。
優勝は月海くん。
悔しさはあるけど、この笑顔見れたしいっか。
***
その後はお化け屋敷に入ったり、シューティングゲームをしたりして時間がどんどん過ぎていく。
全制覇まで残るは観覧車のみとなった。
もう5時で、lあたりは暗くなっていてライトアップが始まっている時間。
今は3人で観覧車の列に並んでいる。
でも、ふたりで乗ろうって月海くんと話したんだけどな。
どうやって琉偉と別々にする気だろう、と考えていると自分達の番になった。
すると、いきなり月海くんが僕の手を引っぱって、スタッフさんに「ふたりで」という。
無理やりふたりきりになった。
僕は心の中で琉偉に謝り、月海くんに続いて観覧車乗った。
ふたりというのはなんだか気まずくて、沈黙が続く。
「今日、どうだった?」
月海くんが何気なくそう聞いてくる。
「とっても楽しかったよ。ありがとう」
僕がそう言うと、月海くんは満足そうに笑った。
それから、僕に手招きをする。
「隣来て」
「えっ、うん…」
少し動揺しながらも、僕は彼の隣に座った。
さっきよりも距離が近くて、妙にドキドキする。
意識しちゃダメなのに。
「俺もすげー楽しかった。家のこととかあって普段外に出れないし、遊園地なんて何年ぶり?ってくらい。それに、鷹栖とだったし」
最後の言葉にドキッとする。
僕が特別みたいな言い方、そんなふうに言われると胸がギュッとなる。
「今日はほんと、ありがとな。あとさ、俺鷹栖に言いたいことあって」
「なに?」
僕が首をかしげると同時に、花火が上がった。
ドンッ!ドンッ!
「ずっと前から、俺は鷹栖が———」
残念ながら、月海くんの言葉は最後まで聞こえなかった。
花火の音にかき消されてしまったから。
「え?ごめん、なんて言った?」
「……いや、やっぱなんでもない」
笑って誤魔化されてしまった。
聞いておけばよかったと後悔しながら、僕は花火に見惚れていた。
「花火、きれいだね」
月海くんの言葉に頷く。
「うん。とってもきれい」
実は花火を見るのも初めてだったから、この時間を月海くんと共感できてすごく嬉しいと思った。
それからあっという間に時間が経って、閉園の時間。
帰り道、僕達は琉偉に怒られながら帰った。
「陽翔くん?」
その時、月海くんを呼ぶ女の子の声が聞こえた。
まるくて小さな顔は整っていて、普通の人じゃないって雰囲気で分かった。
淡い茶色の髪と藍色の瞳から、どうしても視線がずらせない。
僕でもこの子の名前は知ってる。
黒羽莉央、世界的にも有名なモデルの子だ。
「莉央?」
胸騒ぎがした気がした。



