マイクとマウンド、夢の向こうへ

練習後、校内の自転車置き場。


 夕暮れの光が、校舎の壁に反射して茜色に染まっていた。

 「久しぶりに、あのボリュームのレポートくれたな。  ありがとう」

 ヨッシーは深明の頭をそっと撫でる。

 「分析してるときの深明、生き生きしてる。  

そういう仕事、いいんじゃないか。  

 深明の言葉は、俺のストレートくらい、まっすぐ響いてくる。

 俺は、そう思ってるよ」

 
深明は胸が熱くなるのを感じ、自然とヨッシーに抱きついた。

 「……深明。

 この前は、ごめん。言い過ぎた。

 ちゃんと、深明は励ましてくれたのにな」

 「私こそ。

 ごめんなさい。

 離れてる間、寂しかった。

 一緒に、帰っていい?」

 「断るわけないだろ。

 行こう、深明」

 ふたりは手をぎゅっと握り、茜色に染まる空の下を歩き出す。

風が軽く吹き、夕日の温かさが肩越しに伝わる。

 それぞれの夢に向かう気持ちと、互いを思いやる心が、ゆっくりと重なり合っていく——。