君か教えてくれたこと

「…〜♩」


頬を撫でる風があまりに心地よくて無意識に鼻歌を歌う。こういう日を小春日和って言うのかな。知らんけど。


学校に近づくにつれて、同じ制服の子たちが少しずつ増えてきた。


新品の制服に、新品のバッグ。同じ校章。歩く子達の顔は緩んで幸せそう。
女子人気の理由の一端である制服。
……まぁ、確かに可愛い。


ネイビーのブレザーの襟部分にはグレーのラインがはいっていて、そのワンポイントが他の学校にはあまりないデザインな気がするし、スカートとタイにはネイビー地にグレーと赤のギンガムチェック。派手すぎないけど間違いない色合わせ。

男子はダークグレーのスラックス
ちなみに女子はネクタイとリボンが2種類ずつあり、どちらをつけるかは自由。


学園ドラマとかで出てきそうなデザイン!と、友達に熱弁されたのを思い出す。
何度も聞いたせいで覚えちゃった。


そんなことを思い出しながら歩いていたら、


『入学式』


と書かれた看板が見えた。
その前には写真を撮る親子や新入生が何組か並んでいる。
緊張してる子、照れて写真を拒む子、友達とはしゃぐ子……うん、入学式って感じ。


優しい風になびく優しいピンクの桜の花びらは、まるで祝福してるみたい。それこそドラマのワンシーンみたい。


そしてそんなはしゃぐ同級生たちを横目に、校門をくぐった。


「〜!~、」


突然目の前に人が立ちはだかり、話しかけられた。
……が、イヤホンで聞こえず慌てて外す。


「あ、聞こえる?入学おめでとう!」


多分先輩……と思われる男子生徒から胸につける花とリボンのコサージュを受け取る。


「あそこでクラス発表してるから、確認したら教室に荷物を置いて……」


きっと、今日もう何度もこの説明をしてるのだろう。
慣れた様子でこの後の流れを説明してくれる先輩。
全て聞き終えて、ぺこっと頭を下げ言われた順路を辿る。


私は……C組か。



C組と書かれた靴箱に向かい、ローファーを脱いでスリッパに履き替える。


校舎内も新入生にそれを誘導する先輩や生徒、保護者で賑わっていた。
間を縫うようにすり抜け階段へ向かう。


階段の向かいには中庭がみえる。カラフルなタイルにベンチ、緑の芝生。……結構広いんだなぁ。