永遠の絆*

「うん…」


翔の小さな声が耳を掠める。


翔は私の方に視線を向けることなくひたすら前方を見ていた。

それ以上、何も言えなかった私は、ただ窓に目を向けてずっと着くまで外を見ていた。


何も言えないんじゃなくて、この先の事は言う必要がないと思っただけだけど。


「この辺?」


翔がそう言ってきたのは結構時間が経ってからだった。

あのネオン街から葵の家までは、そう近くはない。

その長い時間私と翔は一言も話さずにいた。

辺りを見ると私が住んでる所とは比べ物にならないぐらいの住宅街で、ほとんどの家が高級だ。


「もう少し先…」


小さく翔に伝えると翔は軽く頷きゆっくりと車を走らせる。

葵の家に辿り着くとともに私の心拍は慌しくなっていく。


葵に会って話す言葉なんて何も決めてはいないし考えてもいない。

私よりも葵の方が不安なのに、私の心は全く落ち着こうとはしなかった。


「ここでいいよ」


暫くして白い壁面に囲まれた葵の家が見え、私は口を開く。

そんな私に対して、何も言わずに車を停めてくれた。