永遠の絆*

ちょっとは期待してたのかも知んない

翔が帰って来るって少しは期待をしてたのかも知んない。


明日旅立つ私。


とりあえず9時までマンションに居たけれど私の期待は見事に外れ、翔は帰っては来なかった。

あの“バイバイ”って言ったのが本当に最後だった。


もう使う事のない部屋の鍵をポトン…とポストに落とし、私は翔のマンションを出る。

少しの日差しがあまりにも眩しくて目が眩み、私は空を仰いで深呼吸した。


ここを離れる事に寂しさが増す。

見上げたマンションに悲しく微笑み、私は足を進ませた。

家に着くと即効シャワーを浴びて私はベッドに潜り込む。

翔のマンションのソファーで寝ていた所為か身体が痛い。


実際眠りにはついていなかったのかも知んない。

目を閉じてただけで熟睡まではしてなかったのかも知んない。

その所為か自分の布団に潜り込むと、急激に瞼が重くなって私はいつの間にか目を閉じてた。


「…き。…美咲…」


ゆらゆらと揺れる身体とともに聞こえてくるのは私を呼ぶ声。

寝がえりを打ち、目を薄ら開けていくとママの顔が目に入った。


「美咲、調子悪いの?昨日ママが帰ってきてから一度も起きずに寝てたけど」


そう言ってママはしゃがみ込み私の顔を覗き込む。


「あ、いや…大丈夫。今、何時?」

「今、朝の9時。16時には家出るんでしょ?」

「あ、うん」


寝過ぎたのかあまりにも身体がダルクて私は頭を擦る。


「もう準備は出来てるの?」

「うん」

「パン焼いたから食べにおいで」


ママは立ち上がってカーテンを開ける。

その所為で薄暗かった部屋がいっきに明るくなって目を軽く瞑る。

ママが出て行った後、目を擦りながらベッドからすり寝け、私は洗面所へと向かった。