もう、決めた事なのに…
決めたのに…
今更言わないでよ。
なんで今更言うの?
「言うの遅いよ」
「ごめ…。みぃちゃんより俺のほうが弱いわ」
“情けねぇよな”
付け加えられた言葉に胸が苦しくなった。
泣かないって、決めてここに来たのに…
そんな事言われたら、涙が溢れそうになる。
「美咲?」
「うん?」
「最後に抱かせて?」
「…いいよ」
肌に触れていく翔の唇が温かい。
肌に触れていく翔の指先も全て。
お互いがお互いを抱きしめ合う肌の温もりがこれ以上ないってくらいに温かかった。
「ずっと、翔のこと好きだから…」
そう囁いた私の声に「俺も好きだよ」そう言って唇を交わす。
時間が経つ事にタイムリミットは近付いている。
お互い抱き合ってる瞬間が愛おしく思う。
どれくらい一緒に居たのかも分からないくらいだった。
枕元にある翔のスマホが音を出して鳴り響く。
もう…時間か。
隣に居る翔からため息が漏れ、眉を顰めたまま翔はスマホに手を伸ばす。
瞬時に切れた音に寂しさが増す瞬間だった。
「シャワー浴びるわ」
そう言った翔は私の頭をクシャっと撫でてから起き上がる。
すり抜けて行く翔から一気に体温が低くなり寂しさが溢れだす。
翔がシャワーを浴びに行って少しした後、私はベッドの下に無残にも散らばっている服を掻き集め、服を身に纏う。
そしてリビングに行き、ソファーの上で膝を抱えた。
その瞬間、なんでか知んないけど頬に涙が伝った。



