永遠の絆*

「…怒ってる?」


そう言う私にママは首を傾げる。


「うん?何が?」

「何も言わずに一緒に居る事」

「……」

「ごめん。言おうと思ってたんだけど…」


言おうと思ってた。

ちゃんとママには言おうと思ってたけど、ママの体調が悪いのにこんな事言えなかった。

むしろママが入院してるのにも関わらず、娘が男の家に縋りついてるって、普通怒るでしょ?


「ううん。怒ってないよ」

「え、怒ってないの?」

「そりゃさ、聞いた時はもちろんビックリしたけど。突然来られて一緒に住んでるなんて言われたら」

「そうだよね…」

「でも感謝してる」

「感謝?」

「うん、そう」


ママは態勢を整え私を見て微笑む。

だけどその微笑みが何故か悲しそうに見えた。


「感謝って何が?」

「心細くなってる美咲を支えてくれてる」

「……」

「それに…美咲の決心を強く変えてくれたから。ホントは悩んでたんでしょ?」

「……」

「美咲が自分から何も言わないからママ、何も聞かなかったけど」

「……」

「だからね、ママ諒也くんに頼んだの。でも、それを断ったのは美咲。通帳を返された時はちょっと悲しかったな」


そう言ってママは眉を下げ小さくため息をついた。

だからだと思った。

ママが悲しそうな顔をするから諒ちゃんは仕方なく翔に言ったんだと思った。


「ごめん…ママ。でも、ありがとう」


胸が苦しかった。

今にも涙が零れてきそうなくらい目尻が熱くなってた。

俯いて堪える私に、


「頑張ってね」


そう言ったママの声に頷く事しか出来なくてママの顔さえ見ることが出来なかった。