マンションを出た私は電車に揺られて諒ちゃんが居る病院へと足を運ぶ。
病院内に入ると同時に病院どくとくの臭いが鼻につく。
ママで病院にはよく来てるんだけど、それでもやっぱりこの臭いは好きじゃない。
諒ちゃんが居る病棟に向かいエレベーターで3階まで上がる。
ドアが開いてエレベーターを出た瞬間、思わず私の眉に皺が寄った。
降りてすぐあるのは待合室みたいな所。
壁にソファーがくっついて置かれ、そこには色んな人達がくつろいでいる。
で、その中に退屈そうにソファーにもたれてスマホを手にしている諒ちゃんの姿。
だけどその隣にどこの誰だか分かんない女が楽しそうに話して微笑んでいた。
「何してんだよ…」
聞こえないくらいの小さな声でそう呟き、私は諒ちゃんの病室へと足を進め、
「おー。美咲っ、」
背後から私に気付いた諒ちゃんの声が飛び交い足を止めた。
「部屋行ってるね」
諒ちゃんを見て素っ気なくそう告げた私は足を進める。
「おい、ちょっと待て待て!…――んじゃあ俺、戻るわ」
「うん。またね」
諒ちゃんが一緒に居た女にそう言った後、可愛らしい女の声が耳に届くと同時に私の背後から諒ちゃんの足音が近づいてくるのが分かった。



