恐る恐る視線を葵に向けると、葵は2階を見たまま口を手で塞ぎボロボロと目に涙を溜めて落としてく。
「いやぁぁぁっっ、」
「おい、諒也!!」
次々と発していく葵の声と、私の横を急いで通り過ぎて行く翔に訳の分からない汗が額から落ちる。
翔の走って行ったその方向にゆっくり目を向けると、そこには…
お腹から血を流した諒ちゃんが居た。
その現状を見てんのにも係わらず今、何が起きてるのかも分からなかった。
諒ちゃんは手すりに掴まったまま屈みこみ、左手でお腹を押さえてる。
苦しそうに息をしながら…顔の色は段々と…悪くなってた。
うそ、でしょ…
「……い、美咲!!…おい!!」
ドでかい翔の声で我に返る。
ビクンと飛びはねた身体。
少しずつ震えてくる手足。
「聞いてんのか、美咲!!救急車呼べ!!」
聞こえてんのは分かる。
焦ってる翔の姿だって、しゃがみこんで声を上げながら泣き叫ぶ葵だって苦しそうにしてる諒ちゃんだって分かる。
なのに…
なのに私の身体は硬直した様に動かなければ涙さえ落ちてはこなかった。
また…
私の所為だ。
「いやぁぁぁっっ、」
「おい、諒也!!」
次々と発していく葵の声と、私の横を急いで通り過ぎて行く翔に訳の分からない汗が額から落ちる。
翔の走って行ったその方向にゆっくり目を向けると、そこには…
お腹から血を流した諒ちゃんが居た。
その現状を見てんのにも係わらず今、何が起きてるのかも分からなかった。
諒ちゃんは手すりに掴まったまま屈みこみ、左手でお腹を押さえてる。
苦しそうに息をしながら…顔の色は段々と…悪くなってた。
うそ、でしょ…
「……い、美咲!!…おい!!」
ドでかい翔の声で我に返る。
ビクンと飛びはねた身体。
少しずつ震えてくる手足。
「聞いてんのか、美咲!!救急車呼べ!!」
聞こえてんのは分かる。
焦ってる翔の姿だって、しゃがみこんで声を上げながら泣き叫ぶ葵だって苦しそうにしてる諒ちゃんだって分かる。
なのに…
なのに私の身体は硬直した様に動かなければ涙さえ落ちてはこなかった。
また…
私の所為だ。



