永遠の絆*

「葵が謝る必要はない」


そう言って葵の居る所まで駆け寄る。


「…ごめん」


小さく呟く葵の瞳が赤くなっている。

泣いたんだろうか。

諒ちゃんになんか言われたんだろうか。


「だからいいって。私は大丈夫。…それより諒ちゃんに凄く怒られなかった?」


そんな私の事より葵の方が心配だった。

諒ちゃんは一度キレたらしつこい…って言うか止まんない。

だから葵の行動にきっと…怒りが治まってない…はず。


「…っと、ううん。それが何も言われてないし何も怒られなかった」

「…え?」


聞いた瞬間、葵の言ってる事が分かんなかった。

だけど、すぐにその意味を理解し、私は茫然と葵を見つめた。


「…言われてないの。ただ、美咲の事、馬鹿って…」


そう言った葵は目を泳がせる。

私が馬鹿なのは分かってる。

ってか何回も何回も言わなくてもいい。

思わず顔を顰めた私に葵は、


「…美咲」


小さく私の名前を呼んだ。

葵は未だに困った顔をし、私を見つめる。

だけど私は葵じゃなくて後ろから怒鳴りあった諒ちゃん達の方が気になった。

バンバンと音をたてながら慌ただしく鳴り響く。

その方向に思わず視線が行ってしまい、私は2階を見上げた。


「…り、諒也先輩…」


か細い葵の声がポツリと落ちる。