永遠の絆*

丁度、翔が働く店の前で、胸まである明るめの髪をクルクルと巻き、背中が丸見えの黒のドレスを着た女がある人物に抱きついている。

お互いの頬と頬をくっつけている。


その人物は紛れもなく翔だった。

私の視界に入るのは横向きになってる2人で、翔は右手をポケットに突っ込んでるんだけど、反対側の手で女の後頭部を撫でている。

そんな翔の身体を女の人は抱きしめていた。


でもその光景を見て、“何してんの?”とは思わなかった。


あー…、仕事かって。

むしろホストがそんな仕事なのかもわからない。

だよね。

あんな整った顔であんな事されると誰でも落ちちゃうよね。

そう。誰でも好きになっちゃう。

私にしたキスの理由もないだろう。


ただ、しただけ。

そう他の女の人にもしてる事。


分かってる。

分かってるよ、そんな事。

私だけが特別扱いなんてされてないって事くらい。

それに私は翔の彼女でも何でもない。


むしろ翔にはあぁ言った大人の女性が似合ってる。

私とは全く釣り合わない。


見た途端、馬鹿らしい笑みが私の顔から零れてた。

何してんの?は翔じゃなく私だ。

私、なんでこんな所に来てんだろ。

ほんと馬鹿らしくなってきた…


翔の事なんて好きになるんじゃなかった。

って言うよりも、何で好きになっちゃったんだろ。

あの日、キスされたのも翔からすれば挨拶程度みたいな当たり前の事なのに…


未だに抱き合ってる2人から目を逸らし私は来た道を引き返した。