もうすぐで日が落ち始める繁華街。

周りの建物から少しづつ導き出すネオンの光。

私は手に3万円を握り締めて歩く。


色とりどりの輝きを放つホテル街。


「またヤりたくなったらいつでも言ってね」


ホテルを出る時、嬉しそうに微笑む30代の男はそう言ってきた。


…ほんと馬鹿みたい。

別にヤりたいんじゃなくて、ただ私はお金が欲しいだけ。

お金が必要なだけ。

お金があれば他には何も要らない。


そんな中年のおっさんとなんて、私はヤりたくもない。

だけど、中年だから簡単に高校生と言う響きだけで私にお金をくれる。


それが私にとったら好都合のほか何でもない。


全てはお金だから。

お金がないと生きていけない。

この世の中、お金で成り立ってるようなもんでしょ?


愛とか恋とか、そんな面倒な事は正直私にはどうでもいい。

むしろ、くだらない。


そんなくだらない夜中が、どうしようもないくらい嫌だった――…