永遠の絆*

1時間近く走った後、見慣れた風景に差し掛かった時、私は道筋を教えた。


「あ、ここ」


私の家の前まで来ると、翔は車を停める。

日が落ちて薄暗くなり、車内から家を見るともちろん家に明かりは点いていなかった。


だよね。

当たり前にママなんて居ない。

期待してるわけでもない。

いつも居ないし。


そんな家をボーっと見ていると、

「みぃちゃんって新山って言うんだ」

そう言ってくる翔に視線を移すと、私の家の表札辺りに視線を送っていた。


「あ、うん。言ってなかったっけ?」

「聞いてねぇよ。だって俺も言ってねぇし。俺、芹沢っつーの」


そう言って、翔は私を見てうっすら笑った。


知ってる。

なんて言えなかった。

さっき領収書見たって言えなかった。

別に隠すことでもないと思うのに、何故か言えなかった。


「あ、うん」


だからもの凄い曖昧な返事しか出来なかった。