扉の前で立ち尽くしていると、凪美たちの声が聞こえた。
「ん〜あの子怪しくない?信用できないよ、申し訳ないしうちらも大変だけど抜けてもらった方がいいと思う。」
「でもさっ!?今5人に戻ったら何も出来ないよ!?せめて1回くらいやって考えればいいじゃない?」
「凪美、お前も任務やりたいだろ?ちょっと考え直せよ」


私のこと話してるんだなあ
自分の闇を分かってしまえば自分の大事がわかんなくなっちゃう。
自覚しない方がよかった?復讐なんか考えなきゃ良かった?

「あんなに信用してくれない子と任務は出来ないよ」
「でもさ、まだ信じてたいな、小愛ちゃんのこと。」

ここでも悠希ちゃんは優しくしてくれる。だけどその優しさが痛い。
凪美の言う通りだから。あんまり信用してないもん。危険に晒すようなこと考えてるし、

『大丈夫だよ、小愛ちゃんなら出来る!!』
『どうせわたしは誰にも愛されてないんだよ』

幼い頃私を励ましてくれた『大丈夫』
5か月前私を堕とした『どうせ』
だいすきなのに、伝えられなかった。
馬鹿なことかもしれない。けど私はこれをやるって、やりきるって決めた。

お姉ちゃんのために。私のために。

「凪美、そりゃ俺が気をつけろって言ったけど、凪美はちょっとせっかちすぎる」
「あの子はなにか任務でやらかしそうじゃない?やめた方がいい」
異様に冷静に話す凪美が微妙に怖くて、しゃがみこむ。
みんなを危険に晒すけど、その全部の責任を私が取る。


「そうは言うけど解雇するには証拠がない。」

なんでみんな私をかばってくれるの
みんなで私をいじめればいいじゃん
私こんなやつ信用できないよ
優しすぎるの、君たちは
もうやめよ。


「ごめんっ遅くなった!作戦立てよ」

5人は一瞬固まった。が、すぐにもどった。

「そだね!えっとどーする?凪美!」
「結局わたしに聞くんかい」

歌月の以上コミュ力に助けられた。
ごめんね。でも。これは譲れない。

私は浅葱創介に復讐する。