「今日転校生くるらしいぜ」
「は?」
「え?」


個性的な見た目の澪が唐突な発言。


「え?ほんと?噂じゃなくて?」


ふわふわしたオーラのただよう悠希がきょろきょろとみんなを見回す。


「え〜?まじ?サプライズパーティでもしちゃう?」


ムードメーカーの歌月は謎発言をする。


「やる場所ないし、やる気もない」


静かでドライな葉蓮。無気力なのか、ドライなのか。。。



「どうせ噂だよっ。こんなとこに今転校生なんて来るわけないじゃん?」


わたし、凪美。わたしは噂に惑わされたりしないもーんっ


「ま〜な、スパイ学園に転校生なんて来るわけないか。噂噂。ごめんって」



そう、ここはスパイを育てる国家公認のエリートスパイ学園。全国の公立小学校の6年生から才能がある子だけが推薦式で入れる秘密溢れる場所。


「もし来るならさ、うちのチームに入って欲しいよね〜!人数不足で留年とか嫌だし」


今直面している問題が、「チームとして動ける人数にたりていない!」ということ。
この学園ではルールとして6人1チームとして動くことが決められている。
学園の人数的に人チームだけ合わないのは知ってる。
けどさあああ!それで留年するのはおかしいって!


「来ないと思うけど!来るなら、全力で勧誘してね!まあ、入るとこここしかないけどさ」

「6色の虹の予定が5色になっちゃうもんな。」


チーム名を、フランス語で「6色の虹」にしようとしたんだけど、今のままだと留年&チーム名変更になってしまう。。。!!


キーンコーン


予鈴がなった。重く響く鐘の音。穏やかな晴れの日。


「また後で〜!」


クラスが違う歌月と葉蓮は自分のクラスへと戻っていく。


それと同時に先生が入ってくる。
───知らない女の子を連れて。

「わお」
「ほら、噂じゃなかったろ?」


ドヤ顔で自慢してくる澪。
言い方が気に食わない。。。!


「小愛で〜す!ゲームと推しが好き!あとはぁ〜あ、コンピューターに関しては任せてくださいっ」


初対面にしてこの元気さ!だけどこの子、小愛ちゃんはコンピューターの天才らしい。
細めの髪が個性的なウルフカットにされている。

絶対この子と仲良くなるんだあっ
わたし(たち)が闘志を燃やす間に席が決まったようで悠希の隣の席になった。


(悠希〜!がんばっ)


小愛のことをよく見ると、眼鏡の中に小さな文字が光っているのが見えた。彼女の情報源はあそこか。


「あいつ隙ねーな、どっかの組織の一員か?」


後ろから話しかけられた。話しかけられるとは思ってなくて、びくっとする。


「澪、急に話しかけるのやめて?。。。隙ないよね、あの子。」


澪は「凪美は隙ありすぎ。」なんて呆れながら忠告してくれる。その間にも小愛のことを目で追っている。


「あいつには要注意。」


悠希と楽しそうに話している小愛を見て頷いた。


「了解」


わたしたちの物語が、始まる。