胸を高鳴らせながら、送信ボタンをクリックした。

「結果発表は1月の初旬か」

 その頃には、ユズの受験が2週間後に控えているのかと思うと、緊張が蘇る。

「受賞できることを信じて待とうか」

「そうだね」


「俺も、通信制でいいから高校行ってみようかな」

 ユズが帰った後、小さく口に出して心が跳ねる。

 言葉にした瞬間、胸の奥で何かがはじけるような気がした。

 自分の未来の少なからず希望を感じた。

 これまで閉ざされていると思っていた自分の未来の扉が、少しだけ開いた。

 ゲームのことについてもっと深く学んでみたい。

 一緒に戦ってくれたユズのためにも、進んでいきたい。

 自分の人生に希望を見いだせなかった俺に、大事なものを気付かせてくれた。

「ユズはすげえな」

 遠く前を走って行くユズの背中を想像して、俺もそうなりたいなと思う。

 ユズは俺の目標。

 ユズのように、自分の信じる道をまっすぐ進んでいける人間になりたい。