桜が咲く時まで、生きていたい

「おはよう!姫!」

「お、おはよう」

ここまで走ってきたのか、宗一郎は息を切らしていた。

「ど、どうしたの?なにか嬉しいことでもあった?」

始業式は来週の月曜日、一週間前なので、去年の姫奈なら憂鬱になっているだろうが、宗一郎は顔をキラキラと輝かせていた。

最も、明日の検査次第で姫奈も学校に行けるかが決まるのだが。

今は、学校に行きたいという気持ちが強かった。

「姫奈、夏休みもあと一週間だろ?高校最後の夏休みの思い出、作らないか?」

「え?」

正直言うと、姫奈からすれば宗一郎が来てくれるだけで嬉しいし、その反面申し訳ない気もしているのだ。

だって、宗一郎がしていることは、ほとんど姫奈のためを思ってのことなのだから。

「まぁ、明日の検査の結果が良かったら、の話なんだけどな!そのためにも明日の検査頑張れ!」

「え?な、何するの?」

「それは、明日の検査結果を聞いてからのお楽しみだ!」

とりあえず、何か楽しいことを計画しているらしい。

あんなに嬉しそうにしている宗一郎を久しぶりに見た。と言うことは、姫奈は明日の検査を頑張っていい結果が出るようにしなければならないらしい。今日は早く寝ようと決めた姫奈だった。

その日は中庭にも出らず、院内で穏やかに過ごした。