桜が咲く時まで、生きていたい

そんなゆっくりとした時間が過ぎ、現在は家にいる。

今日一日の帰宅が認められたのだ。

だが、なぜか当然のように宗一郎もいる。

「「おかえり」」

両親のその言葉に、思わず涙が出る。

現在回復傾向にあるとはいえ、いつ悪化してしまうかわからない。

私は、あと何回この言葉を聞けるだろうかと考えてしまう。

その考えを読み取ったかのように宗一郎がそっと手を握る。

「…大丈夫」

その一日、久しぶりの家で思いっきり、とはいえちゃんと宗一郎にセーブされながら楽しんだ。

夜までには戻らないといけなかったため、家で早めに夕食をとる。

「いってきます」

「「いってらっしゃい」」

あと、何度この言葉が言えるだろうか。

「おかえり。時間ぴったりだね」

「ただいま戻りました」

病院に帰りつき、先生に報告をする。

「ところで…一個聞きたいんだけど、ここ最近体調に変化はないかい?」

「…?特には」

「そう。それならいいんだ。それじゃあ姫奈ちゃんは部屋に戻って風呂でも入っておいで。宗一郎くんは私と少し話でもしようじゃないか」

そういって小牧先生はニカっと笑っていた。

宗一郎と小牧はよくいろんなことを話しているようなので、特に気には留めなかった。