「ふぉ〜ん。恋心に気づいちゃつたわけか。


おめでとー!」




 次の日。どうしても図書館に居るのがいやで、





虹湖と一緒に帰っている。





「むぅ、でもさ、気づくタイミングが。。。」




 そういえば井口くんに畳み掛けて話した日から、




より図書館の女王感が強くなったっぽくて、





畏怖の目で見られることになった。





「もう、また言えばいいじゃない。私も綺麗だと





思いま〜すって」





 多分明日は蓮木くん来ない。





 あんなことになったんだもん。





「いや、明日こないって。流石に」






 それで諦めてくれると思ったのに、虹湖はもっと






ヒートアップしていく。





「じゃ、教室まで行こ♪わたし一緒に行く〜」





「待ってごめんそれは無理」





 ただでさえ噂がすごいのに教室まで行ったらもう



学校に居たくない。





「あ」






「何?行く気になった??」





 わくわくと聞く虹湖。




「違う〜。もう虹湖が恋すればいいじゃない」






「それは違うの〜」





 分かれ道に差し掛かった。



あと3分でうちに着く。虹湖はもうそこの家。




「ばいば〜い。また明日!」





「またね」





 わかった。蓮木くんと会う方法。





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「はあ、はあ、はあ。。。」





 あの、夜の公園。月を見たところ。





 「お願い、いて。。。!」



 夜闇に人影が見えた。見知った後ろ姿。




「蓮木くん。。。!」




「え、?立月さん。。。?」




 いた。よかった。話したいことがある。



「昨日は、ごめんね。」




「大丈夫。俺の気持ち伝えただけ」




 なんだかどこまでも優しい。そして、恋って





難しい。ぐちゃぐちゃしてて、どきどきする。





 こんなん、虹湖に何言われるかわかんないや。





「昨日は、眩しいって言ったけど、いや、今も眩





しいけど。でも、私、あなたと見ていたいな。。。」




 精一杯の勇気を振り絞って言う。



 
 真っ暗なのに、月の光で蓮木くんだけが




よく見える。




 彼は目を見開き笑顔になっていく。





「ほんと!?」





 大型犬みたい。





「うん。ほんと。」







 にこっと微笑みを浮かべる。





 一瞬の間に目の前が見えなくなり、温もりに包ま





れる。






 抱きつかれていることに気づいたあと、一気に





温かくなった。






 「ずっと好きだったんだよ?なのに全然気づか






なくてさ。やっぱり河路さんの言う通りだ」





 河路さんは虹湖のこと。虹湖繋がってたのか。。。!







 今も抱きしめられたまま。





「「ね、名前で呼んでいい?」」




 ハモった。ここハモる?




「「あははっ!」」




 お互いの目を見て大笑い。





「璃夜、ありがとね」






 少し経ったあと目を見てはるやが言った。






「ん、私も。はるや」





 どっちからともなく顔が近づく。





 眩しい君がそばに居る。それがとても嬉しいんだ。