「ここ、すごいね。。。」



 勉強のあと、蓮木くんのおすすめスポットに来た。



 ブランコとシーソーしかないだだっ広い公園。



 空が良く見えて、月が眩しい。



「ここ、いいね。」



「だろ?」




 ブランコにのって空を見る。ぎこぎこときしむ音




だけが響く。




「俺さ、母子家庭で、4人兄弟の2人目で。





兄が働きに出てくれてるけど、家計はぎりぎり。





だけど俺、バスケ強いとこ行きたかったから





わがまま言ってここに通わせてもらってるんだ。





今んとこ特待生で学費免除されてるけど、





成績やばかったら特待生じゃなくなるから、頑張っ






てた」





 ぽつぽつと語り始めた蓮木くん。




 わたしは静かに聞いている。





「だけど、足怪我したとき、意味ないよな、って






思った。」





 今はもうすっきりした足。前までは包帯や湿布が




巻かれていた。






「だけど、広星に言い返した立月さんの言葉で





また頑張ろうと思えた。俺の努力を見てくれる人が





居て、嬉しかった。」






 すごく強い人だ。人気者になっているのにも





頷ける。





「。。。月が、綺麗だ。」






「!?」





 これは告白?事実を言ってる?わからない。。。





「私には。。。眩しいよ」






 暗闇でどんな顔をしていたか、分からなかった。




「そっか、」




 蓮木くんはそう言い帰っていった。








 あんなに頑張れて、もっと頑張って、努力を怠ら




なくて。





 そんなに頑張れる人は、私には眩しい。




 だけどその隣に居たいとも思う。




 初めて気づいた。





「恋って難しいなあ。。。」