私、男の子マネージャーになって、推しアイドルをお守りしますっ!

 私は急いで廊下に出ると、すぐに通話ボタンをタップした。

「もしもし、結衣ちゃん?」

 あれ? 電話に出たけど返事がない。
 どうしたんだろう……? まさか、事件に巻き込まれたとか……⁉
 全身からさっと血の気が引いたそのとき、スピーカーの向こうから、『ひっく……』としゃくり上げる声がした。

『ごめんね、奏くん。CMの撮影、ドタキャンしちゃって……』

 聞こえてきたのは結衣ちゃんの涙声。私はその声にハッとして、思わずスマホを握り締めた。

「ううん。それより、結衣ちゃんのほうが心配だよ。何かあったの?」

 私がたずねると、結衣ちゃんはぽつぽつと話し出した。