「えっと、人助けをしてまして……」
「人助け?」

 私は遅くなった理由を、しどろもどろで説明し始める。
 すると、ママの目が疑うようにすうっと細まった。

「それ、本当なの?」
「本当だよ!」

 私はママに、ぐっと前のめりになって力強く言い返す。

「ついさっき、近くの交差点でトラックにぶつかりそうになった男の子を助けたんだからっ‼」

「奏が言ったのって、このことかな?」