「うっわ、誰かと思えば氷高じゃん。さっきの調子に乗った発言も納得だな」

 現れたのは、スパークルのライバル事務所、ブライトエッジの人気No.1アイドルグループ、Shooting(シューティング) TUNE(チューン)の3人組だった。

葛城(かつらぎ)……」

 瑞稀くんが冷たい瞳で、先頭にいるShooting TUNEのリーダー、葛城凛斗(りんと)さんを睨んだ。
 月の光のような銀色の髪に、猫みたいにつり上がった二つの目。
 ブライトエッジが運営するアイドル学園、冴月学園の黒いブレザーを着ているのに、私やstarixのみんなと同い年とは思えないくらい、大人っぽい雰囲気を漂わせている。
 コツコツと革靴のかかとを鳴らしながら、凛斗さんがこちらに近づいてくる。
 その様子は、まるでファッションショーのランウェイを歩いているように、自信に満ちあふれていた。
 残りのShooting TUNEのメンバーはというと、凛斗さんより数歩後ろに下がって、目立たないようについて来ていた。
 なんだか同じグループの仲間っていうより、凛斗さんの取り巻きって感じ……。