「それじゃあ、陽名はあの空いてる席に座ってくれ」
「はいっ!」

 担任の先生が指示した席へ、胸をドキドキさせながら向かう。
 私の席は、窓際の列の一番後ろ。隣の席は瑞稀くんだ。
 私が瑞稀くんの護衛しやすいように、ママが先生に頼んで隣同士にしてくれたのかな?
 寮の部屋だけじゃなくて、教室でも近くで瑞稀くんを拝めるなんて……。
 ミッションのためだとわかっていても、心臓がいくつあっても足りないくらい、最高すぎるシチュエーションだよ!

「よーし。全員席についたな。じゃあ、俺は職員会議に行くから。適当に雑談でもして待っててくれ」

 先生はそう言うなり、教室を飛び出していった、そのとき。