私、男の子マネージャーになって、推しアイドルをお守りしますっ!

「ねえ、蛍。あの焦げ茶色の髪の子、誰?」
「さぁ……? まっ、とりあえず、本人に聞いてみようぜ!」

 朔良くんと蛍くんはうなずき合うと、螺旋階段を駆け下りてきた。

「なあ! お前って、もしかして転校生⁉」

 いつの間にか、私の目の前にいた蛍くんがずいっと詰め寄ってきた。
 朝からよくそんな大声が出せるな……。と思ってたら、今度は別の方向から、誰かにじーっと見つめられているような気配を感じた。

「ふーん。きみ、ボクと同じくらいかわいい顔してんだね」
「わあっ⁉」

 耳元で気だるげな声が聞こえたと思ったら、私の真横に朔良くんが立っていた。
 もこもこパジャマの腕を組み、こちらをじーっと見つめている。

「ねえ、きみって何者? 名前は?」
「え、えっと……僕はですね……」

 ドキドキしながら口を開き、名前を名乗ろうとしたちょうどそのとき。