私、男の子マネージャーになって、推しアイドルをお守りしますっ!

「瑞稀! かなっち!」

 蛍くんたちが、こっちに向かってバタバタと駆け寄ってきた。
 かと思えば、先頭にいた蛍くんが、「ええっ⁉」と大声で叫ぶ。

「か……かなっちって、男装女子だったのかよ⁉」

 待って! なんでバレてんの⁉
 パニックになったその瞬間。蛍くんの視線が、私が手に持っていたウィッグに突き刺さる。
 ……しまった。
 ここに来る前に明日華さんにウィッグを返してもらってから、あとでかぶろうと思ってたけど、すっかり忘れてた……。