私、男の子マネージャーになって、推しアイドルをお守りしますっ!

 考えてもわかんないし、このまま能力を使ってナイフを止めてもいたちごっこだ。
 何か、ナイフを止めるいい方法は……そうだ!
 ふといいアイデアを思い付いた私は、壁の前に立ちはだかった。
 思った通り、ナイフが私の顔目がけて迫ってくる。
 ぎらりと光る刃先が私の額に当たりそうになった寸前、私はとっさにしゃがみ込んだ。フェイントにかかったナイフは、そのままドスッという音を立てて壁に突き刺さった。

「奏、大丈夫か⁉」

 瑞稀くんが駆け寄ってくるなり、私の両肩をがしっとつかむ。

「なんとか、ギリギリ……」

 へらっと笑って答える私に、瑞稀くんは心底ほっとしたようにため息をつく。
 それから、「もう無茶するなよ」と瞳を潤ませた。