「大丈夫⁉ すぐに助けるね!」

 私は急いで瑞稀くんのそばに駆け寄って、口のガムテープをビリッとはがした。

「はあっ……!」

 水面から上がったように、瑞稀くんは大きく息を吸い込んだ。

「……ごほっ、ごほっ! 苦しい……って、奏⁉」

 瑞稀くんはむせ返るように激しく咳き込みながら、目を丸くして私をまじまじと見つめた。

「なんで、どうしてここに……?」
「助けに来たの! 早く逃げよう!」

 私は瑞稀くんの体を縛るロープを急いで解いた。
 結び目がほどけたところで、すぐに瑞稀くんの手を取って立ち上がらせようとしたその瞬間――。