「ねえママ! 瑞稀くんを狙ってる犯人はいったい誰なの? 週刊誌の記者とかカメラマン?」
「わからないわ」

 ママは力なく首を横にふった。

「こっちもセキュリティ会社と協力して、犯人を探してるんだけど……正体はまだつかめてないの」
「そんな……。本当に何もわからないの?」
「今のところ、一つだけわかっていることと言えば……瑞稀くんがいる場所ならどこでも狙いに来ている、ってことだけね。仕事先でも、学園の中でも」
「学園の中? なんで?」

 私が首をかしげると、「星宝学園は全寮制。瑞稀くんが帰る場所は、学園の敷地にある男子寮だからね」とパパが説明してくれて、少しだけ腑に落ちた。