私、男の子マネージャーになって、推しアイドルをお守りしますっ!

「そう、だったんだね……」
「ああ」

 瑞稀くんはうなずくと、少し視線を落として静かに語り始めた。

「それまでの俺は、氷高グループの跡取りとして、大人たちが敷いたレールの上を歩いていた。自分のやりたいことより、周りの言うことに従うのが当たり前だと思ってたんだ」

 たしかに、瑞稀くんと遊ぶ約束をしていても、「ごめん。急に家の予定が入って……」と直前でキャンセルされることも少なくなかった。
 そして、いつも『俺は氷高家の跡取りだからしょうがないよ』って切なげに笑ってた。まるで、本当の気持ちをぐっとこらえているように。