「でも、時間が……」
『私が絶対に間に合わせるから、信じて!』

 その言葉に、ざわついていた心が落ち着きを取り戻す。こんなギリギリでも、奏の声は不思議と安心感を与えてくれるんだ。

「……わかった。頼む、奏」

 俺は遠くの奏にそっとうなずいた。
 これまで数々のピンチに遭ってきたけど、奏と一緒に乗りこえてきた。
 いつも俺のそばにいて、支えてくれた。
 そんな奏ならきっと、絶対に大丈夫だって信じられるんだ。