「おい、なんだよこの部屋⁉」

 すぐ近くで、蛍の怒鳴り声が響きわたる。

「電気のスイッチどころか、窓もねーじゃん‼」
「つまり、完全な密室……」

 血の気が引いて青ざめたような蘭のかすれた声も聞こえてきた。
 あのスタッフ、やっぱり確信犯だ!
 ここがどういう部屋かわかって、俺たちを閉じ込めたんだ。
 このままじゃ、番組に出演できなくなってしまう。そうなると、奏にも迷惑がかかるだろう。
 それだけは絶対に避けたい。一刻も早く、ここから出ないと!