「でも、今度からは気をつけなさい。奏のあの力は、簡単に人前で見せてはいけないんだから!」

 ママにぴしゃり叱られた私は、「はーい……」と気のない声で返事をした。
 その様子に、パパは一度ふっと笑みをこぼす。けれど、その表情はすぐに真剣なものに変わった。

「たしかに奏の力は、世間にバレると大変なことになるかもしれない。だからこそ、今までは人前で使わないようにと言い聞かせてきた。――でも、これからは、より多くの場面でその力を使うことになるだろう」

 パパは一度言葉を切り、私をまっすぐ見つめた。
 その瞳に宿る強い光に、私の心臓が小さく跳ねる。


「奏。異能の力を持つきみに、あるミッションを託したいんだ」