「え、うそ⁉ いつの間に撮られてたの⁉ しかも、めっちゃバズってる……」

 男の子を助けるために〝力〟を使った結果、現場がかなりの騒ぎになったのは知ってたけど……まさかネット上で拡散されて、大事になってしまうなんて!

「まったく! あの力を使うときは、目立たないように気をつけなさいって、いつも言ってるでしょ⁉」

 ママがキッと目をつり上げて、ガミガミと私を叱りつける。

「だ、だって! 男の子をすぐに助けるには、この方法しかなかったんだもん!」

 私も負けじと食い下がった。

「まあまあ。二人とも、落ち付いて」

 パパが、言い合うママと私の間に割って入り、優しそうな笑顔でなだめた。

「今回は緊急事態だったし、仕方ないよ。奏のことは大目に見よう」
「そうね……」

 ママは少し落ち着いたようにうなずいた。
 しかし、次の瞬間。顔を上げたとたんに、ギラリと光る眼差しで私を射抜く。