一通りstarixの4人の撮影が終わったあと。監督が出番を待つ私に顔を向ける。

「それでは、陽名くん。ここからきみの出番です」
「はい!」

 私は大きな声で返事をして、スクリーンの近くの床に貼ってある目印のテープの上に立った。
 目の前には、浴衣姿の瑞稀くんがいて、私が来るのを待っている。

「アクション!」

 監督の張りのある声がスタジオに響く。
 私はそれを合図にして、瑞稀くんへ一歩足を踏み出した。