ピー!

『選手交代です!』

アナウンス
『さぁ!ついに出ました!』
『代表候補メンバー最年少の18歳!』
『デフバスケ期待の新星・和泉 清凪(いずみ せな)ーーー!』

ドキッ

歩侑(ふう)
「つ…ついに清凪(せな)くんが出た!」
「あわわ…どうしよう…!じゃなくて!」
「”応援”の手話!こう!」

私は握った両手を
夢中で左右にぶんぶん振った。

その後で右手をパーに広げ、
親指を立てた左手の後ろから押し出した。

歩侑(ふう)
清凪(せな)くーーーん!がんばれーーーー!!」



この時の私は、自分が初めて
人前で大声を出したことに気づかなかった。