坂はどんどん急になる。
きのう山登りしたふくらはぎは、パンッパンでもう破裂寸前!
だけど、前を歩くムカつくほど長い足は、ぜんぜんスピードをゆるめない。
ペンション風の三角屋根の家が建つ高台を、よたよたとのぼっていくと、ひときわ白い横板壁の家が見えてきた。
高台の斜面に、海にせり出して建てられていて、崖に足場を組んで、下から家を支えている。
「ここ、オレんち」
ウソぉ……。
あたしはアホ毛をゆらして、立ちつくした。
屋根を見あげれば、風見鶏。門には、ピンクのバラのアーチ。
庭はモスグリーンの形のちがう葉っぱでいっぱい。稲っぽい葉っぱだったり。丸っこい葉っぱだったり。そのあちこちに、うす紫や白や水色の小花が咲いている。
め、メルヘン……絵本の世界に迷い込んじゃったみたい。
なのに、葉っぱの間の小路を歩くのは、中条。
うう……メルヘン台無しっ!
小路の先に、石レンガづくりのポーチが近づいてきた。
「つむじ風」っていう看板と、白いペンキで塗られたメニューの立て看板。白木のドアには、「本日定休日」っていうプレートがさがってる。
「あれ? 中条んちって、お店屋さん?」
「かあさんが最近、自宅カフェをはじめたんだ。ここらへんに植わってんのはみんな、店でつかうハーブな」
なにそれ、ズルイ。
自家栽培のハーブをつかったケーキやティーなんて、おいしいに決まってんじゃんっ!
「これで、中条の家でさえなければ……」
「どういう意味だよ」
きのう山登りしたふくらはぎは、パンッパンでもう破裂寸前!
だけど、前を歩くムカつくほど長い足は、ぜんぜんスピードをゆるめない。
ペンション風の三角屋根の家が建つ高台を、よたよたとのぼっていくと、ひときわ白い横板壁の家が見えてきた。
高台の斜面に、海にせり出して建てられていて、崖に足場を組んで、下から家を支えている。
「ここ、オレんち」
ウソぉ……。
あたしはアホ毛をゆらして、立ちつくした。
屋根を見あげれば、風見鶏。門には、ピンクのバラのアーチ。
庭はモスグリーンの形のちがう葉っぱでいっぱい。稲っぽい葉っぱだったり。丸っこい葉っぱだったり。そのあちこちに、うす紫や白や水色の小花が咲いている。
め、メルヘン……絵本の世界に迷い込んじゃったみたい。
なのに、葉っぱの間の小路を歩くのは、中条。
うう……メルヘン台無しっ!
小路の先に、石レンガづくりのポーチが近づいてきた。
「つむじ風」っていう看板と、白いペンキで塗られたメニューの立て看板。白木のドアには、「本日定休日」っていうプレートがさがってる。
「あれ? 中条んちって、お店屋さん?」
「かあさんが最近、自宅カフェをはじめたんだ。ここらへんに植わってんのはみんな、店でつかうハーブな」
なにそれ、ズルイ。
自家栽培のハーブをつかったケーキやティーなんて、おいしいに決まってんじゃんっ!
「これで、中条の家でさえなければ……」
「どういう意味だよ」
