響け!色彩のフォルテッシモ

「お初にお目にかかります。ブリュンヒルト伯爵ご子息、フンベアト殿。私はレオンハルト・ジッキンゲンと申します」

「レオンハルト・ジッキンゲンってあの有名な探偵の……!」

クララが目を見開く。家の名前を聞いてフンベアトは顔を真っ青にさせた。ジッキンゲン家の貴族階級は公爵。フンベアトの伯爵よりも上である。貴族社会は序列が全てである。フンベアトは威勢をなくし、叱られた子犬のように体を震わせた。レオンハルトはフンベアトの肩に手を置く。

「怯えないでほしい。私は家を継いでいない。家の名はただの飾りに過ぎないよ」

「あっ、はい……」

フンベアトは返事をしたきり黙り込んだ。クララが恐る恐るといった様子で口を開く。

「どうして、ジッキンゲンさんは教師のフリをしてこの学園に来たんですか?」

「警察にこの学園の教師から相談があってね。君たち二人が命に関わるような嫌がらせを何度も受けているという話だった。まあ、結局は君たち二人の自作自演だったみたいだけど」