響け!色彩のフォルテッシモ

『そっちこそさらに声がうるさくなってるよ。鼓膜が破れてしまいそうだ』

『二人とも落ち着いてください!声、外まで響いてますよ!』

『トーニョとオルハンはすぐに喧嘩するんだから〜。あたしとカナタの胃にいい加減穴が空きそうなんだけど』

アントーニョ、オルハン、マーガレット、カナタの賑やかな声にレオンハルトはフッと笑ってしまう。まだ数週間しか潜入調査をしていないのだが、探偵事務所に帰りたいと一瞬思ってしまった。

「すごいですね。この小さな機械で録音ができるなんて!」

リズが興味津々といった様子で機械を見つめる。その時だ。レオンハルトの脳裏にふと、美術室でフンベアトの作品が破壊されたことを思い出す。

(あの時、彼はもしかしてーーー)

レオンハルトはリズを見つめる。レオンハルトの真っ直ぐな目に、リズの表情も変わった。



それから数日後。魔法学の授業を教えるため、レオンハルトは教室へと向かう。今日は実家ではなく座学だ。

教室にはすでにリズたち生徒が全員揃っている。教卓に教材を置いた後、レオンハルトは全員を見回した。