「涼ちゃん、ごめん。帰ろう」 美冬の存在が、空気を重くする。 俺は、涼ちゃんの手を引っ張った。 「あ、先輩待って!」 急に引っ張ったせいか—— 涼ちゃんのクレープが、地面に落ちた。 「あ…」 「…ごめん。俺の食べる?」 そう言って差し出すけど—— 「いや、別にいらないですけど…」 涼ちゃんが、ちらっと美冬の方を見る。 「無視していいんですか?」とでも言いたげな涼ちゃんの顔。 はぁー、と大きなため息をつく。