週末は朝から雨で、いつもよりゆっくり学校に向かう。
昼を過ぎても雨はザアザア降っていて、風も強くなってきた。
「なんか台風みたい」
思わず呟くと、隣の席の一ノ瀬が私と窓の間に割って入ってきた。
「柊は傘ある?」
「あるよ。朝から降ってたし」
「だよなー。忘れててくれたら、相合傘したのに」
「忘れててもしないから」
「園芸部、この天気ならやんないだろ? 俺も休みだから駅まで一緒に帰ろ」
「やだよ」
なんて言ってたのに、一ノ瀬と並んで校門を出た途端、風で傘がへし折れた。
「うそでしょ……」
「ちょ、柊、こっち入れ、濡れるから」
「ひえっ」
一ノ瀬に肩を抱き寄せられる。
腕の力が思ったより強い。傘を持つ手は骨張っていて、まさに男の子の手だ。
腕も太いし、ちょっと待って……。
「嫌かもだけど、駅まで我慢して。濡れて風邪とか引かれたら嫌だから」
「う、うん……」
私はへし折れた傘を抱えて、一ノ瀬の隣を歩く。
隣というより、近すぎて――もう何がなんだか……。
駅に着くと、一ノ瀬はカバンからタオルを出してきた。
「使って、きれいだから」
「あ、うん……ありがと……」
「なんかしおらしいね。どした?」
「や、何でもない。えっと、ありがと、入れてくれて」
「俺、柊と相合傘したかったんだ。だって、あと81日だし」
――「じゃあ、また」
そう言って一ノ瀬は行ってしまった。
私は借りたタオルとへし折れた傘を握ったまま、半分以上濡れている一ノ瀬の背中を見送った。
昼を過ぎても雨はザアザア降っていて、風も強くなってきた。
「なんか台風みたい」
思わず呟くと、隣の席の一ノ瀬が私と窓の間に割って入ってきた。
「柊は傘ある?」
「あるよ。朝から降ってたし」
「だよなー。忘れててくれたら、相合傘したのに」
「忘れててもしないから」
「園芸部、この天気ならやんないだろ? 俺も休みだから駅まで一緒に帰ろ」
「やだよ」
なんて言ってたのに、一ノ瀬と並んで校門を出た途端、風で傘がへし折れた。
「うそでしょ……」
「ちょ、柊、こっち入れ、濡れるから」
「ひえっ」
一ノ瀬に肩を抱き寄せられる。
腕の力が思ったより強い。傘を持つ手は骨張っていて、まさに男の子の手だ。
腕も太いし、ちょっと待って……。
「嫌かもだけど、駅まで我慢して。濡れて風邪とか引かれたら嫌だから」
「う、うん……」
私はへし折れた傘を抱えて、一ノ瀬の隣を歩く。
隣というより、近すぎて――もう何がなんだか……。
駅に着くと、一ノ瀬はカバンからタオルを出してきた。
「使って、きれいだから」
「あ、うん……ありがと……」
「なんかしおらしいね。どした?」
「や、何でもない。えっと、ありがと、入れてくれて」
「俺、柊と相合傘したかったんだ。だって、あと81日だし」
――「じゃあ、また」
そう言って一ノ瀬は行ってしまった。
私は借りたタオルとへし折れた傘を握ったまま、半分以上濡れている一ノ瀬の背中を見送った。



