100日後、クラスの王子に告白されるらしい

 で、莉子の誕生日の日。

 俺は気がはやりすぎて、朝七時には校門の前に立っていた。

 でも莉子は十分後くらいに来たから、早めに来て正解だった。

 ……莉子は、俺が前にあげたゴムをつけてた。

 ハロウィンのときに、いたずらで髪を結ばれて、そのままゴムを持って帰っちゃったから、代わりに贈ったゴム。

 その気遣いが嬉しくて、やっぱり俺は柊莉子が好きでたまらない。

 死ぬほど緊張したけど、無事に付き合うことができた。

 初めてのキスは柔らかくて、温かくて、幸せすぎて、心臓が止まるかと思うくらいにバクバクした。

 そのあとの莉子の照れた顔がかわいくて、泣きたいくらいだった。

 我慢できなくて、別れ際にもう一度キスしてから、部活に向かった。

 部室で着替えてたら双葉が


「顔がキモい。……ヨカッタネ」


 なんて言うから


「お前も頑張れよ」


 と返したら蹴飛ばされた。



 昼休みに莉子に誕生日プレゼントを渡した。

 花の飾りがついた写真立てだ。

 中には音楽祭のときに二人で撮った写真を入れてある。


「ベタだけどさ、二人でいろんなことして、思い出作って、写真撮ってさ。これから、よろしくお願いしますってことで」

「ありがとう。すごく、嬉しい」


 莉子が涙ぐんで、双葉と榎本さんがちょっと茶化して、我ながらいいものを贈れたと思う。