蒼士は杏の隣に立つと、スッと背筋を伸ばした。
「杏を助けてくれて、本当にありがとう」
そう言って深々と頭を下げた。杏も慌ててそれに倣った。
「平野麻友子は、警察に勾留されてる。今後は傷害罪で訴える事になるだろう。手続きや弁護士もろもろは、あとで桐生さんが説明に来てくれるそうだ」
「そうですか、わかりました……あの、蒼士先輩、ひとつだけいいですか?」
「え?」
「俺が命懸けで守ったんです。だから、くずあんの事、もしまた泣かせるような事があったら――速攻で奪いにいきますから」
斗馬の言葉に一瞬、驚いたような表情になったが、蒼士はすぐに切り返した。
「大丈夫だよ、お前になんてやらねーよ」
二人はふざけたように睨み合うと、どちらからともなく噴き出したように笑い始めた。止まらない笑い声に、杏はポカンとして二人を見ていた。
……笑っているけど、涙が流れそうだと斗馬は思っていた。
「幸せになってくれよ、くずあん」
蒼士の隣にいる杏を見つめながら言うと、彼女はコクンと頷いた。
「大丈夫、今、幸せだよ。ありがとう斗馬くん」
その言葉に斗馬は、高校からの長かった片想いが、胸の中でひっそりと幕を閉じたのを感じていた。
◇◇◇
「杏を助けてくれて、本当にありがとう」
そう言って深々と頭を下げた。杏も慌ててそれに倣った。
「平野麻友子は、警察に勾留されてる。今後は傷害罪で訴える事になるだろう。手続きや弁護士もろもろは、あとで桐生さんが説明に来てくれるそうだ」
「そうですか、わかりました……あの、蒼士先輩、ひとつだけいいですか?」
「え?」
「俺が命懸けで守ったんです。だから、くずあんの事、もしまた泣かせるような事があったら――速攻で奪いにいきますから」
斗馬の言葉に一瞬、驚いたような表情になったが、蒼士はすぐに切り返した。
「大丈夫だよ、お前になんてやらねーよ」
二人はふざけたように睨み合うと、どちらからともなく噴き出したように笑い始めた。止まらない笑い声に、杏はポカンとして二人を見ていた。
……笑っているけど、涙が流れそうだと斗馬は思っていた。
「幸せになってくれよ、くずあん」
蒼士の隣にいる杏を見つめながら言うと、彼女はコクンと頷いた。
「大丈夫、今、幸せだよ。ありがとう斗馬くん」
その言葉に斗馬は、高校からの長かった片想いが、胸の中でひっそりと幕を閉じたのを感じていた。
◇◇◇


