突然、自分の名前を呼ばれ、杏は驚いてしまった。その様子を見て、彼は嬉しそうに笑った。
「ああ、やっぱり! 覚えてないかな、俺、須直斗馬」
(すなお? とうま……?)
もう随分古びてしまった、学生の頃の記憶の扉が開いた。
「もしかして、高校で同じクラスだった……?」
「そう! やっぱりそうだよな! 『くずあん』!」
『くずあん』……昔のあだ名で呼ばれ、記憶がボロボロと溢れ出した。
「え! 斗馬くん?! あの?!?」
「あのって、どのだよ。そう、あの三年ん時同じクラスたった斗馬くんだよ」
杏のパニクりぶりに笑いながら答える斗馬。その笑顔は、思い出の中にあるあの頃と、あまり変わっていなかった。
須直斗馬は高校生の時からイケメンで学内でも有名だった。友達の彼氏の友達、そんな関係だったけど、高三の頃はそのカップルと四人で遊んだりしていた。
卒業後はみんな進路がバラバラだったから、そのまま連絡は取っていなかったけれど……。
「くずあんと、まさかこんな所で再会するとはな」
杏も、同じことを考えていた。
「それはこっちの台詞だよ! しかも斗馬くんが俳優? びっくりだよ!」
「まだ卵だけどな」
「でもなんで俳優? 高校の時、そんなこと言ってたっけ? 確か、大学は行ったよね?」
「その大学で、運命の出会いしちゃったんだ」
照れくさそうに頬を染めながら、斗馬は言った。
――大学の学園祭で、東雲蒼士の劇団がステージゲストとして招待された。披露したのは三十分足らずの短い芝居。たまたま見に行った斗馬は、その舞台で演劇と東雲蒼士に魅せられてしまったと言う。それで大学卒業後、東雲蒼士の所属する今の劇団に入ったそうだ。
「蒼士先輩の芝居、本当に凄くてさ! あんなふうに俺も舞台に立ちたいって思っちゃって!」
そう熱っぽく語る斗馬。杏はそれを聞きながら、彼の学生時代を思い出していた。
「ああ、やっぱり! 覚えてないかな、俺、須直斗馬」
(すなお? とうま……?)
もう随分古びてしまった、学生の頃の記憶の扉が開いた。
「もしかして、高校で同じクラスだった……?」
「そう! やっぱりそうだよな! 『くずあん』!」
『くずあん』……昔のあだ名で呼ばれ、記憶がボロボロと溢れ出した。
「え! 斗馬くん?! あの?!?」
「あのって、どのだよ。そう、あの三年ん時同じクラスたった斗馬くんだよ」
杏のパニクりぶりに笑いながら答える斗馬。その笑顔は、思い出の中にあるあの頃と、あまり変わっていなかった。
須直斗馬は高校生の時からイケメンで学内でも有名だった。友達の彼氏の友達、そんな関係だったけど、高三の頃はそのカップルと四人で遊んだりしていた。
卒業後はみんな進路がバラバラだったから、そのまま連絡は取っていなかったけれど……。
「くずあんと、まさかこんな所で再会するとはな」
杏も、同じことを考えていた。
「それはこっちの台詞だよ! しかも斗馬くんが俳優? びっくりだよ!」
「まだ卵だけどな」
「でもなんで俳優? 高校の時、そんなこと言ってたっけ? 確か、大学は行ったよね?」
「その大学で、運命の出会いしちゃったんだ」
照れくさそうに頬を染めながら、斗馬は言った。
――大学の学園祭で、東雲蒼士の劇団がステージゲストとして招待された。披露したのは三十分足らずの短い芝居。たまたま見に行った斗馬は、その舞台で演劇と東雲蒼士に魅せられてしまったと言う。それで大学卒業後、東雲蒼士の所属する今の劇団に入ったそうだ。
「蒼士先輩の芝居、本当に凄くてさ! あんなふうに俺も舞台に立ちたいって思っちゃって!」
そう熱っぽく語る斗馬。杏はそれを聞きながら、彼の学生時代を思い出していた。


