杏と課長、蒼士と桐生は、ほほえみ製菓の応接室へ戻ってきていた。騒ぎを聞いて、社長と専務も同席している。
そして、蒼士と桐生はまた、杏たちに向かって深々と頭を下げた。
「大切な御社の社員、葛原様を危ない目に合わせてしまい、大変申し訳ありませんでした! 治療費や損害賠償はこちらが責任をもってさせていただきますので!」
「いえ、お二人とも頭を上げて下さい――」
確かに危ない目にはあったし、トートバッグで殴られた時に杏の頬が少し切れてしまったけど、結果的には二人に助けてもらった。だから、怪我はたいした事はないし、会社の保険もあるしって事で、話を終わらせてもらう事にした。
杏に襲い掛かった女性――平野麻友子は、蒼士の劇団では、悪い方の意味で有名な『東雲蒼士ファン』だった。
禁止されている、出待ちやつきまとい等の行き過ぎた行為などから、東雲蒼士が出演する全ての舞台で出入り禁止、接触禁止になっている。それでも、他のイベントや所属劇団以外の舞台ではなかなか完全に出禁には出来ないので、劇団側も頭を悩ましていたそうだ。
今回は、件のスキャンダルの写真から、どうやら探偵を使ってマンションや杏の存在を調べたそうだ。
そして、嫉妬心からの襲撃――杏に、「あんたのせいだ!」と言っていたのは、杏に蒼士を汚されたという激しい思い込みから出た言葉だった。
「今回の事件で……」
社長が静かな口調で話し始めた。
「先ほどは我が社の葛原とのお菓子レッスンを継続する、との話でしたが、やはり、もう終わりにした方がいいかと思います」
そして、蒼士と桐生はまた、杏たちに向かって深々と頭を下げた。
「大切な御社の社員、葛原様を危ない目に合わせてしまい、大変申し訳ありませんでした! 治療費や損害賠償はこちらが責任をもってさせていただきますので!」
「いえ、お二人とも頭を上げて下さい――」
確かに危ない目にはあったし、トートバッグで殴られた時に杏の頬が少し切れてしまったけど、結果的には二人に助けてもらった。だから、怪我はたいした事はないし、会社の保険もあるしって事で、話を終わらせてもらう事にした。
杏に襲い掛かった女性――平野麻友子は、蒼士の劇団では、悪い方の意味で有名な『東雲蒼士ファン』だった。
禁止されている、出待ちやつきまとい等の行き過ぎた行為などから、東雲蒼士が出演する全ての舞台で出入り禁止、接触禁止になっている。それでも、他のイベントや所属劇団以外の舞台ではなかなか完全に出禁には出来ないので、劇団側も頭を悩ましていたそうだ。
今回は、件のスキャンダルの写真から、どうやら探偵を使ってマンションや杏の存在を調べたそうだ。
そして、嫉妬心からの襲撃――杏に、「あんたのせいだ!」と言っていたのは、杏に蒼士を汚されたという激しい思い込みから出た言葉だった。
「今回の事件で……」
社長が静かな口調で話し始めた。
「先ほどは我が社の葛原とのお菓子レッスンを継続する、との話でしたが、やはり、もう終わりにした方がいいかと思います」


