創立記念のCMがテレビで流れるようになった。
杏は始め、自分が映ってしまっていないか心配だったが、見てみると自分の痕跡は何処にも無く胸をなで下ろした。チラリと映った指先さえ、東雲蒼士の手に差し替えられていたくらいで、最近の映像技術に感心した。
CMは一日何度も流れるものではなかったが、東雲蒼士が出演している、ということでそれなりに話題にはなったようだ。会社の記念事業としては大成功だったのではないだろうか。
撮影をする前は芸能人なんて全く興味が無かった杏だが、本人に会ったあとだと、やはりそれなりには気にはなる。
今度やる舞台のCMがテレビで流れたり、書店の雑誌棚で女性向け雑誌の表紙を飾っているのを見かけたり。東雲蒼士を知らなかった時には気が付かなかったが、あの撮影から、毎日のように目に付くようになってしまった。
そんな時、驚きの再会を果たした元同級生の斗馬から連絡が来た。あの日、お互いのメッセージアプリのアカウントを交換していたのだ。
『大ピンチ! 大至急! 会いたい!』
そんな慌てたメッセージが。
「なに?」と返すと、『詳細は会って話す! いつなら会える?』なんて曖昧な返事。なんだろう? と思いながらも、本当に慌てているみたいだったので、その日の夜、杏は会うことにした。
今は会社は繁忙期ではないので特に残業もなく、仕事が終わると杏は斗馬から指定されたカフェへ向かった。そこは、会社から徒歩で行ける距離だったが、杏は行ったことが無い場所だ。
そろそろ夏が近いこの季節。やっと日が暮れ涼しくはなってきたけど、昼間の暑さもまだ残っていた。その日杏は夏用の薄い生地のワンピースを着ていたが、歩いているとじわりと汗が滲む。
杏は始め、自分が映ってしまっていないか心配だったが、見てみると自分の痕跡は何処にも無く胸をなで下ろした。チラリと映った指先さえ、東雲蒼士の手に差し替えられていたくらいで、最近の映像技術に感心した。
CMは一日何度も流れるものではなかったが、東雲蒼士が出演している、ということでそれなりに話題にはなったようだ。会社の記念事業としては大成功だったのではないだろうか。
撮影をする前は芸能人なんて全く興味が無かった杏だが、本人に会ったあとだと、やはりそれなりには気にはなる。
今度やる舞台のCMがテレビで流れたり、書店の雑誌棚で女性向け雑誌の表紙を飾っているのを見かけたり。東雲蒼士を知らなかった時には気が付かなかったが、あの撮影から、毎日のように目に付くようになってしまった。
そんな時、驚きの再会を果たした元同級生の斗馬から連絡が来た。あの日、お互いのメッセージアプリのアカウントを交換していたのだ。
『大ピンチ! 大至急! 会いたい!』
そんな慌てたメッセージが。
「なに?」と返すと、『詳細は会って話す! いつなら会える?』なんて曖昧な返事。なんだろう? と思いながらも、本当に慌てているみたいだったので、その日の夜、杏は会うことにした。
今は会社は繁忙期ではないので特に残業もなく、仕事が終わると杏は斗馬から指定されたカフェへ向かった。そこは、会社から徒歩で行ける距離だったが、杏は行ったことが無い場所だ。
そろそろ夏が近いこの季節。やっと日が暮れ涼しくはなってきたけど、昼間の暑さもまだ残っていた。その日杏は夏用の薄い生地のワンピースを着ていたが、歩いているとじわりと汗が滲む。


