高校生の時に初めて監督の舞台を観て感動した事、いつか彼の舞台に役者として出演したいと目標にしていた事。その後、その監督はとある舞台で成功し世界的に有名になった事。
そして今回、その監督から直々に主演舞台のオファーがあったという。
二つ目のケーキを切り分けながら、杏は蒼士につられたように、自分も嬉しくなっていた。熱弁している彼の瞳がキラキラと輝いている。
「――それでさ、もう一つ驚いた事に、その舞台の公演地が海外なんだ」
「海外?!」
「うん、ニューヨークのブロードウェイ!」
てっきり国内だと思っていたから、その規模の大きさに杏は驚いた。そして、自分が出演するわけではないのに、胸がジンと熱くなる。なんだか泣きそうだ。
「本当におめでとう、蒼士さん」
噛みしめるようにそう言うと蒼士は、「ありがとう」と、嬉しくてたまらない、といった表情で返してくれた。
「稽古はいつからなの?」
「うーん、まだオファーがあっただけだし、他の仕事との事もあるから、桐生さんと相談しないとなんとも言えないけど……」
今やっている舞台の後には、また別の舞台やドラマ撮りがある。それらを調節しないとならないようだ。
「まあ、早くて半年後くらいかな」
切り分けた二つ目のケーキの皿を前に置くと、蒼士は待ってましたとばかりにすぐに口に運ぶ。やはり筋金入りの甘党だ。
「それに今回、いい機会だから、一年くらいあっちに住んで、腰を据えて演劇を学ぼうって思ってるんだ」
「え? それって……」
「短期移住、になると思う」
突然の事に、杏は少し呆然としてしまった。だって、そんな事、考えてもみなかったから。杏は考え込んでしまった。
そして今回、その監督から直々に主演舞台のオファーがあったという。
二つ目のケーキを切り分けながら、杏は蒼士につられたように、自分も嬉しくなっていた。熱弁している彼の瞳がキラキラと輝いている。
「――それでさ、もう一つ驚いた事に、その舞台の公演地が海外なんだ」
「海外?!」
「うん、ニューヨークのブロードウェイ!」
てっきり国内だと思っていたから、その規模の大きさに杏は驚いた。そして、自分が出演するわけではないのに、胸がジンと熱くなる。なんだか泣きそうだ。
「本当におめでとう、蒼士さん」
噛みしめるようにそう言うと蒼士は、「ありがとう」と、嬉しくてたまらない、といった表情で返してくれた。
「稽古はいつからなの?」
「うーん、まだオファーがあっただけだし、他の仕事との事もあるから、桐生さんと相談しないとなんとも言えないけど……」
今やっている舞台の後には、また別の舞台やドラマ撮りがある。それらを調節しないとならないようだ。
「まあ、早くて半年後くらいかな」
切り分けた二つ目のケーキの皿を前に置くと、蒼士は待ってましたとばかりにすぐに口に運ぶ。やはり筋金入りの甘党だ。
「それに今回、いい機会だから、一年くらいあっちに住んで、腰を据えて演劇を学ぼうって思ってるんだ」
「え? それって……」
「短期移住、になると思う」
突然の事に、杏は少し呆然としてしまった。だって、そんな事、考えてもみなかったから。杏は考え込んでしまった。


