「本日付けで、生徒会に新しく入る仲間を紹介します。」

もしかして、生徒会に入ることみんなの前で紹介されるの?
私、目立つのだけは苦手なのに…。

横にいるゆうちゃんも先輩を睨みつけてるっ…!
気持ちはわかるけど、落ち着いて!



わかった…!

あっ、ゆうちゃん、テレパシーで教えてくれたんだ…!
ゆうちゃんのもう1つの能力、テレパシー。
それは自分の考えや、思いを相手の脳を通して伝えられる能力。それも、自分の伝えたい人だけに伝えられるから、いつもすごいなって思ってるんだ!

「愛ノ宮学園中等部、1学年3組 杉野 天音。同じく1学年3組 篠原 優奈。」

私の周りの人達が、一斉に私達の方を見てきた。

そんなに見ないでください!
怖い…。

もう、利用しないでっ!
嫌だっ…!

昔のことを思い出して、怖くなった。


あまねっち、大丈夫?顔色悪いよ?保健室行く?


ゆうちゃん…。ありがとう!大丈夫!
普通に声かけたら私がもっと怖いと思うと察したのか、テレパシーで話しかけてくれた。

周りを見ると、
「生徒会って、女子禁制なのになんで?」
という声や、
「なんであの2人なの」
と、睨んできている人がたくさんいた。

「2名、前に出てきてください」

…っ、出るしかないよね。

大丈夫?前行ける?

うん。大丈、夫。行く。

自分の精一杯の強がりでそう心の声で伝えた。

無理しないでね。もし無理そうだったら私に言ってね。

ゆうちゃん、ありがとう…!

ゆうちゃんも怖いはずなのにすごいなぁ…。

そう思いながら一緒にステージに上がる。