集合時刻10分前になった。

「零先輩、おはようございます!」
と、言う声が聞こえた。
顔を上げると、天音ちゃんが駆け寄ってきてくれているのが見えた。

「あ、天音ちゃん。おはよう!」

天音ちゃん、私服も可愛い、実際には天音ちゃんが着ているから可愛いと言ったほうが正解だろう。

はぁ、こう見ると僕って、本当変わったな…。
しかも、1週間で。
今まで女であれば、誰も苦手だったからな…。
まぁ、今も苦手じゃない女の人は天音ちゃんと優奈ちゃんだけだけどね。

「先輩、いつ来たんですか?」

「ん〜?今さっき来たばっかりだよー!」

これは僕の嘘。
1時間も前に来ました、とか、君に早く会いたくて1時間もはやく来ました、なんて言ったら、天音ちゃんは待たせてしまってごめんなさいって言うか、ただただ引かれるかのどちらかでしかない。
だから嘘をついたんだ。
嘘ついてごめんね。天音ちゃん。

「そうなんですね!」

「天音ちゃんこそ、いつ来たの?」

「い、いま来たばっかりですよ?」

どうして嘘なんかつくんだろう?
なにか隠してる?
まぁ、隠したいことの1つくらいはあるだろうし、何も聞かないでおくか。

「そうなんだ」

そう、僕は返した